葬儀式関連用語と解説

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しれい(死霊)

古くから死霊は、みたま(御魂)とあらみたま(荒御魂)の二つに別けて考えられてきた。みたまは、先祖の霊、すなわち祖霊である。あらみたまは、新たに死者となり、まだ成仏できていない、さまよっている霊のこと。亡者とも、亡霊ともいう。葬式は、この「あらみたま」に対してとり行なう儀式である。
 生と死の間わいにあるあらみたまは、不安定で、崇りがある存在として考えられ、喪に服するならわしが生じた。肉体を抜け出たあらみたまは、一定の期間、生家の周りを浮遊していると考えられた。このため、死者の家では、身辺を清浄にし、死者に供養をつくし、成仏させるようにする習俗が一般になった。仏教の一周忌、四十九日、三十三回忌などは、こうした死霊への考えかたによっている。俗に、三十三回忌で、あらみたまは、個性を失うといわれる。

参考文献:「葬儀大事典」(鎌倉新書)  | yeohoo |