しにび(死火) |
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死者の出た家で、日常用いる火を忌み嫌う習俗。死を穢れと見る死生観から、その火をも不浄とする俗信である。これの同根異枝が、火を神聖視する神杜などでいう別火(べっか)である。賀茂の氏人たちは、不浄火を忌み、京都に出てももらい火をしないといわれる。広島県宮島町の場合も、厳島には現在も火葬場はなく、死者は、対岸の大野町と宮島町の合同火葬場へ運ばれる。これは、島の九〇%以上が国有林という条件からでもあるが、島全体が聖地との見方が濃く、戦前までは、厳島神杜法の忌服令が強い支配力をもっていた。また、一般人の墓地も同島には存在しない→別火。 |
参考文献:「葬儀大事典」(鎌倉新書) | yeohoo |