布施の語源は、古代インド語のダーナ(檀那)で、貪り(むさぼり)のない心で仏法僧や貧窮者などに、自己の所有物を与え合うという仏教修行の重要な徳目である。一般に使う旦那(だんな)の語はダーナの音訳檀那から転化したものである。
布施には、一、法施、二、財施、三、無畏施の三つあり、法施は、大乗仏教の仏教修行の重要な6徳目の一つに数えられ、世の人に仏道を教えること。財施は、在家の人が僧に財形を施すこと。無畏施はあらゆる恐怖を除かせるということ。これは真心をこめた親切をすることによって誰にでも出来る。
布施の功徳は、一、これによって、仏徒の真理、修業目的を達することが出来る。二、社会生活上の好条件に恵まれること、また自己の功徳を近親、他人にも及ぼし、自己の再生に場合にも及ぼすことが出来る。狭義には法要などに招いた僧に施す財絹布などをいうが、現在では、布施はこの意味に使われることが多い。
|